危機的状況に陥った人間がとる行動ほど笑えるものはない。
チャップリン映画の『黄金狂時代(The Gold Rush)』は、
そんなものが満載されている娯楽映画と言えるだろう。
この映画のストーリーを簡単に紹介すると、
「チャップリンが、ひと山あてようと金鉱を捜し求め、
雪深い山に入る。
崖の上には粗末な山小屋があり、猛吹雪で今にも吹き飛ばされそう。
チャップリンがちょっと身体を移動させると、
山小屋がシーソーのように傾き、谷底に転落しそうになる。
こんなハラハラドキドキさせるシーンや、
ついには山小屋に食べるものがなくなり、
飢えて人が食べ物に見えたり、
飢えをしのぐために履いていた自分の靴を食べはじめるシーンが展開される。
このシーンは何度も撮り直したという。」
この映画のほとんどは、極限的な危機的状況の連続。
こんな危機的シーンを見ながら、観客はゲラゲラ笑い転げる。
必死になっている人の危機ほど面白いものはないということらしい。